| HOME |
| クリスマスローズの病気・ブラックデス(黒死病) |
| クリスマスローズの病気ブラックデス(黒死病)ですが、この症状を表した植物からはカビ・菌は未だ発見されてはいないようで、植物に寄生するウィルスが原因ではないかなと考えられています。 植物に病気をおこす病原体の多くはカビ・菌・ウィルスですが、殺菌効果の有る薬剤が開発されているのはカビ・菌に対してで、ウィルスに関しては未だ開発はされていません。 クリスマスローズのブラックデス(黒死病)を伝播させているのは何か?。 植物ウィルスに効果のある薬剤が開発されていない現状で、その植物ウィルスが原因と思われるのなら、どうしたらそれに植物がウィルスに犯されないようにするか、それが大切ではと考えます。 ブラックデス(黒死病)の原因は、昆虫などの吸汁、雑草など不必要な植物の放置、ハサミやナイフなどの栽培器具・鉢・手指からの植物体への進入になるかとおもいます。 ![]() クリスマスローズガーデンハイブリットの健康な花と葉 ![]() クリスマスローズガーデンハイブリットのブラックデス(黒死病)の初期症状と末期的な症状 ブラックデスの症状 国内でのブラックデスの発生は10月から12月初旬にかけての新葉が発生し成長する頃と、平地で花が開き生育が旺盛になる2月から5月に最も多く発生します。 春先や秋に茎の基からクリスマスローズ・ガーデンハイブリットの新しい葉が伸びて展開するときに、新しく出てくる茎や葉の葉脈に沿ってコールタールを葉に塗ったように黒いシミが突然現れ新葉は撚れてきて、その症状が急速に葉や茎全体に広がりますが、その年の春に発生し堅くなった古い葉には黒いシミや縮れはなかなか現れてきません。 黒いシミはクリスマスローズに発生する他の病気のくすんだ黒や茶色とは異なり、光を伴ない秋の場合には新葉や茎のみに現れますが、春の場合には新葉だけでなく蕾や花・茎にまで黒くコールタールを塗りつけたようにシミが現れ花・蕾・葉が撚れてきます。末期的な症状となると蕾の場合には蕾が開かず黒いシミに蕾全体が被われて花が開くことが出来なくなり、植物の生長が著しく阻害され生育が遅くなり弱ってきます。 ブラックデス発生のしかたは上記のとおりですが、新しく展開した葉にはモザイク病の症状が同時に現れ固くなった葉も表面がゴワゴワとしてくることもあります。 これらブラックデスの症状は無茎種のクリスマスローズ特有の病状ですが、他の有茎種も時たま同じようにモザイクの症状をともない現れる事が有りますので、無茎種特有の病気ではなくヘレボルス全体を取りまく病気と考えられます。 防除対策方法 @新しい株を手に入れたなら、少なくとも一年は通常クリスマスローズなどの植物を育てている場所とは別の所に隔離し春から秋にかけては浸透移行生の殺虫剤を散布使用します。 病気が出てからの隔離ではなく、入手した時点での隔離。 入手した時点での他の株との隔離、これが一番にする予防です。 Aクリスマスローズの置き場所などの近くに生えてくる雑草の除去。 B定期的な殺虫剤の散布。 C植物を切り取るハサミなどの道具や器具・手指の消毒。 D日々の観察。 ブラックデスの疑いがあるクリスマスローズの隔離に際しての注意 ブラックデスやウイルス病の疑いがあるクリスマスローズを隔離する際には、浸透移行性のある殺虫剤を用土に混ぜるようにして隔離する。 またスリップスやアブラムシ・ダニなどが活躍する季節には殺虫剤の散布を心がけるようにする。 様々な園芸花卉農作物にウィルスを媒介する昆虫の最たる者は、主にアブラムシ・スリップス(アザミウマ)・ダニなど、その他植物体の液汁を口針で吸う昆虫になります。 このスリップスやダニ・アブラムシなどの昆虫を、植物を栽培する棚や植物の周囲から除去するには、クリスマスローズの近くのこれらの昆虫の住みかとなる雑草を放置しないこと、そして病気を発生しただろう植物を無造作に手や指で触り、その手で健康な植物に触れないこと、次に園芸作業に使用するハサミやナイフ・鉢などの器具を火や第三リン酸ナトリウム(殺菌殺虫ではなくウィルスの活性を無くす)の液で消毒するなどが主な対策になると考えます。 ブラックデスの症状を表した植物は衰弱し、時には暫くしますとその症状が無くなったり、また病気の葉を切り取ると新しい葉は一時的には健康な姿になる場合があります。 原因が植物に寄生するウィルスによってだとすると、病原体は植物体の根・茎・葉・花の中に入ったまま増殖していると思われ、このウィルスの侵入した植物をスリップスやアブラムシが新たに口針で汁を吸い、次の健全な植物を襲ったらどのようになるでしょうか。 明らかにその病原体は新しい植物の中で増殖し始めます。 ブラックデスの症状が発生し葉の切除などで一時的に通常の葉に戻ったとしても注意が必要です。 特にこのスリップス(アザミウマ)は1970年代に外国から日本に侵入した害虫で、ミカンキイロアザミウマ・ミナミキイロアザミウマが主に果樹・野菜・花卉などの農作物に大きな被害をもたらしています。 これらのスリップスは体長は一ミリ以下で目で発見するのは困難で、全国的に棲息して各県では花卉や果樹など農作物に大きな被害を与える重要昆虫に指定されています。 スリップスの生態は、卵から親までの期間が10日から20日、 寿命は20〜40日前後、そして一匹のメスが卵を200〜300個産み、2月から11月頃までがスリップスの繁殖する季節になります。 スリップスが大きく繁殖するのは初夏から初秋となりますが、冬季でも植物の蕾などの中で越冬繁殖します。スリップス自身での飛翔距離は約5メートル前後で自身での移動は得意ではありません。 多くは花の蕾の中や植物の葉などの裏側に住み、花の花粉などを食料として僅かずつ他の植物に伝播しています。 このブラックデスを媒介すると思われるスリップスの被害から、クリスマスローズを守るためには最低限スリップスの棲息地域を狭めるために不必要な植物や雑草の除去が必要です。 スリップスに関しては薬剤の抵抗性が大きくなってきている昆虫ですので、花が咲き新しく葉が発生する頃からの浸透移行性の薬剤散布が重要です。発生初期を中心に数種類の薬剤の散布を交互におこないスリップスの増殖を阻止しなければなりません。 ダニはどこにでも、どのような植物にでも発生し昆虫の仲間では無く蜘蛛に近い生物です。 雨の当たるような場所ではダニの発生は少なく、雨の当たらないところや気温が高く空気の乾燥している春から秋にかけて多く発生します。 このダニの最もやっかいなのは、通常の殺虫農薬では退治することが不可能なことで、一般的にダニを退治するにはダニ専用の殺虫農薬を使用します。 ダニ専用の殺虫農薬としてはケルセン・アカール・ダニカットなど複数の農薬が発売されていますので、一つの種類を散布するのではなく、ダニに薬剤に対する耐性を作らせないよう複数の種類の農薬をダニの発生時期に合わせて散布するようにします。 スリップスやダニは極小なため肉眼での確認は困難ですが、アブラムシは比較的身体が大きいため容易に発見することが可能です。空気のよどんだ場所で主に小さな苗や開き始めたクリスマスローズの蕾の中に見られ、重なった新しい葉などの裏側にも見られます。 また、バラなどのアブラムシが発生しやすい植物をクリスマスローズの周辺に植え込んだり、鉢を置いたりしないように注意し、殺虫剤の散布を忘れないようにします。 (追記) 千葉大学園芸学部において、ヘレボルス属のブラックデス(黒死病)の原因となるカーラウィルス(Carla virus)が発見されたとの報告がありました。 このカーラウィルスはアメリカのワシントン州立大学においても、ブラックデスの症状を現した病株より発見されています。カーラウィルスはカーネーションなどでは良く知られたウィルスで、カーネーションにおいては土壌感染・種子感染は無く液汁感染が主なものとされていて、主な媒介昆虫はアブラムシとされています。 現在ではブラックデス(黒死病)と言われている病気の原因が発見されたとのことまでで、クリスマスローズのガーデンハイブリットでは、どの昆虫などがウィルスを媒介しているか、またブラックデスの犯されないようにするにはどのようにしたら良いかなど、学術的な解明まではされていません。 しかし、カーネーションを脅かすカーラウィルスが、クリスマスローズの病株から発見されたと言うことは朗報で、クリスマスローズガーデンハイブリットの一歩未知の病気が解明される端緒となるかと期待しています。 今後、学術的に健康なクリスマスローズ苗や開花株にウィルスを接種しての病理的な解明が待たれます。 |
| TOPにもどる |