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| クリスマスローズ(ヘレボルス)の斑入り葉 |
| 植物の葉に現れる白や黄色の斑は、その希少性と美しさがあいまって多くの愛好家に人気があります。 植物の葉に表れる斑には、その植物の葉緑素が一部抜けてしまったものや、完全に抜けてしまった白子といわれるもの、ウィルスなどによる病原性のものがあり、多くの植物ではそれら斑入りの品種が大変もてはやされることもあるようです。 葉緑素が欠けていることは植物が生育し子孫を残すために必要な光合成が十分に出来ないことに問題が発生し成長が遅くなったりしますので、クリスマスローズなど夏の強い日射を嫌う植物は十分に注意を払わなければなりません。 数多くのクリスマスローズの実生苗を栽培していると、全く葉緑素の抜けた苗や葉の一部だけ葉緑素が抜けてしまった苗が時たま表れてきます。 これらの葉緑素が完全に抜け落ちた苗は双葉から本葉を出し始めた段階で自然消滅していきます。 幸いにも不完全に白や黄色の斑が入った株も、他の健康なクリスマスローズとは明らかに生育状態が異なって生育が遅くなってきますが、それらに注意を払えばクリスマスローズの斑入り葉も楽しむことが可能です。 ![]() ![]() ![]() 上左のクリスマスローズは緑の葉の間に白い斑が細い筋のように、またスポットのように入ってきます。 中央の写真はまだ苗の段階ですが発生している葉の全てに白い斑が入っています。 右の写真は細かな編み目模様の斑が葉全体に入ります。 ![]() 上の写真は原種アーグチフォリウスの葉が白い斑で細かく彩られたパシフィックフロストです。 花そのものは通常の原種アーグチフォリウスと大きくは変わりませんが、濃い緑の葉に白い斑が細かく散りばめられたのは非常に印象に残ります。 クリスマスローズの斑入り葉一番の問題は、過去400年前にヨーロッパの国々に、特にオランダなどに起きたチュリップ狂騒と同様なウィルス性の斑があります。 これはクリスマスローズとは違いチュリップの花に起きたことですが、花にモザイク状の模様が入った花に希少性を求め、それらの球根が非常な高値で取り引きされたことです。 現在ではこれらはウィルスによるモザイク病と理解はされていますが、当時は科学も現在のように発展していず、珍しい植物変わった植物であれば見境無く資金を投資していたようです。 クリスマスローズの無茎種ガーデンハイブリットにも、若干そのようなチューリップが過去にたどってきたような状態もかいま見られます。 ガーデンハイブリットの斑入り葉にも自然に葉緑素が抜けてしまったものや、植物に害を及ぼさないウィルスですとそれなりに鑑賞価値を見いだすことが出来ますが、バイラス病やブラックデスのようにウィルス性と思われるような斑ですと他の植物にも悪影響を与えるようになります。 下に載せています写真、黄色の斑ですが、自然に出来た斑ではなく明らかにウィルス性と考えられる斑です。この株は、前年の春から秋には通常の緑の葉をしていましたが、春になり新しい葉が伸び出してきますと黄色のモザイクが新葉全体に入ってきました。 ![]() ![]() 下の写真は丸弁カップ・濃いピンクリバースの花で素晴らしいものでしたが、前年の花時には顕れていなかったモザイク模様が春になり花・葉に突然現れてきました。 この株の栽培資料を見ますと、花や葉のモザイク模様に関しては記されていませんでした。 葉の色が薄れ濃いピンクと白い色をしたモザイク模様が突然現れ、他の株と比較すると生育も非常に遅くなりました。前年には現れていない模様でしたのでウィルスによる斑と考え当然のことすぐに破棄しましたが、この株を残していたら他の株にも病状は移り被害は大きなものになっていたでしょう。 クリスマスローズの斑は全ての葉に顕れるものは少なく、数枚の葉にだけ顕れてくるものが多くそれほど希少性があるものではなく、ある一部の系統色のハイブリットには幾らでも発生してくるものです。 また、いつでも顕れ消えていくもので花そのものも標準を下回るものが多い気がいたします。 もし、複数の葉に白や黄色の斑が平均的に入っている株を見つけたなら、モザイク病でないのを確かめ楽しむのもクリスマスローズを楽しむ一つの喜びかも知れません。 クリスマスローズを育てる、クリスマスローズを観賞することで重要なことは、希少性ではなく多くの育種家達が数百年に渡って育種してきて今完成を見ようとしている、花の色・花の形・株の立ち方・花のデザインなどを大切にしていくことではないかと考えます。 参考 チュリップバブル(マイク・ダッシュ著・明石三世訳・文春文庫) |
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