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ヘレボルスの原種ヴェシカリス(h.vesicarius)の育て方と技術![]() |
| ヘレボルスの原種・ヴェシカリウスは他のヘレボルスとは異なり、自生している地域がシリアからトルコにかけての内陸砂漠地帯という、人間が住むには自然環境の厳しい地域に生育しています。 自生地の生育の場は特に写真などで紹介されていませんが、全くの砂漠地帯で瓦礫の山というような場所に自生しているのではなくて、人間の住める環境・オアシスのような地下水脈があるような所が自生地ではないかなと想像しています。 大地の表面には砂や岩が露出していても、その砂や岩などを掘り進めば地下水脈に行き付く環境で、夏の間は葉を枯らし草の体力を根に保存して、気温の低くなる冬になってから葉を伸ばし花を付け種を結ぶ性質と思われます。 園芸界で良く聞く言葉に、植物を育てるにはその植物の生育している環境を調べ、その環境に近い状態で栽培すると良い結果が出てくると言われますが、このヴェシカリウスを日本で栽培し花を楽しむにはこの古くから言いならされてきた言葉をかみ締めなければならないようです。 (ヴェシカリウスの実生) 国内でヴェシカリウスの種子を入手するのは非常に困難で、ヨーロッパの業者の手を借りなければならないようです。そのヴェシカリウスの種子も自生地で採取したものと栽培農場で採取したものがあるかと思います。種子を入手したなら、クリスマスローズガーデンハイブリットと同じように湿度のある環境で高温の状態と低温の状態をヴェシカリウスの種に与えるようにします。 温度処理の方法はガーデンハイブリットと同じように行い、秋10月頃に播種いたします。 用土は軽石を混ぜた赤玉土を使います。 採取されたヴェシカリウスの種 発芽したヴェシカリウスの双葉 発芽したヴェシカリウスの双葉 発芽し双葉を枯らし休眠に入るヴェシカリウスヴェシカリスの種は関東地方基準で2月始め頃から発芽を開始し、双葉だけを発生させ本葉を出すのはまれのようです。5月から6月頃には展開した双葉を枯らし夏眠の状態に入りますので、雨の当たらない場所に移動し苗を過ごさせます。初めて苗を鉢にあげるのは翌年の春、本葉が発生した2月頃に行います。 (ヴェシカリスス・苗からの育て方・秋から冬そして夏まで) ヴェシカリススの苗の販売は現在のところ極少量ですが、生産者から苗が販売されるとしたら秋10月過ぎからとなります。この時点ではすでに発芽から3年ほど過ぎて、根の発達もヴェシカリウスの生命を維持できる頃かと思います。入手したなら当然水はけの良い鉢・土に植え替えます。 鉢は5号くらいのものを選び、土はハイブリットの土に3割〜4割くらいの軽石を混入させ、土の中を極力砂漠の環境に近い状態にします。 砂漠に近い状態といっても、私たちが実際にヴェシカリウスを栽培する場所はシリアなど岩や砂ばかりの砂漠ではなく、夏高温多湿の日本だと言うことを十分に理解ください。 水は土の表面が白く完全に乾いてから与え、鉢の置き場所は雨や霜の当たらない場所を選んでください。 肥料は即効性の液肥ではなく肥料効果の緩い緩行性の置き肥を使い、秋に葉が出てから翌年の夏になり葉が枯れるまで控え気味に与えます。 ![]() ![]() (ヴェシカリウス・夏の育て方) 鉢の置き場所は雨の当たらない涼しい日陰の環境を選びます。 6月頃になりますと秋から冬に発生した葉も、外側の葉茎から枯れ始めます。 そのころには土の中には肥料成分が無い状態にして、10月頃まで水は3週間位に1回ほど軽く土の表面が濡れるように水を散布します。 花を開こうとしているヴェシカリウス ヴェシカリウスの花 ヴェシカリウスの種さや 夏の眠りに入るため春に出てきた葉を枯らすヴェシカリウス他のヘレボルスの原種やハイブリットと異なり、厳しい環境で命を長らえてきたヴェシカリウスですので、国内では花を見られるまでは順調に行って発芽から7〜8年位はかかるかも知れません。 ヴェシカリススを栽培し花を見ようとする時、最も大切なことは乾きやすい土の配合と夏の水やりの方法、早く花を咲かせようとか、早く大きくしようとかを考えずヴェシカリスス自身の生育のサイクルに任せることです。 (追)原種のニゲルを母親に、原種ヴェシカリウスを父親にして交配育種した、新しいヘレボルスの交配種ブライヤーローズが作られています。 |
| 2006/07 |
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