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クリスマスローズの育て方とガーデニング 花と園芸植物の販売情報

若泉ファームのサイトにようこそ。お届けするクリスマスローズは奇跡の花、ニゲルとチベタヌスの交配種「絹」、外覆輪のセミダブル「雅」、ホワイト糸ピコティ「FirstKiss」、グリーンピコティ「翡翠」、赤い雄しべをもつ「卑弥呼」、 第4のクリスマスローズジャンル「Shall We Dance」などオリジナル品種をネットショップにて販売していますのでご利用ください。

イカロスの翼

ギリシャ神話


だいぶ前になりますが早く花を咲かせるためにクリスマスローズの栽培温度のコントロールを行いました。
園芸のプロの世界では当たり前の作業ですが、その頃はまだクリスマスローズのダブルが市場に出てきたばかりでしたので、大方は関心はダブルのクリスマスローズへと目が向いていました。
この話題もそんな環境でしたのでどこにも話もせず発表せず、それは引き出しの奥にしまい込んでいました。

ある知人に話したことがありました。
クリスマスローズという名前がついているのに年が明けて2月にならなければ花が咲いてこないクリスマスローズのハイブリットでは全く面白くない。
街にクリスマスのジングルベルが鳴っている頃にクリスマスローズが咲いているとかなり売れるかも知れない。
生産者の欲張りとでも言うのでしょうがジングルベルが鳴っているクリスマスの頃、暮れの市場に出てくれば高値になるだろうと捕らぬタヌキの皮算用をしてみました。
ここまでは想像の限りを尽くすのですが現実は甘くありません。

確かに温度をコントロールすると11月末から12月中旬にはクリスマスローズのハイブリットも花を咲かせてくれます。
一番簡単なことはシクラメンなどと同様、夏から秋にかけて日光のの戦場ヶ原や500〜1000メートル前後の場所に山上げし低温に曝せば問題は簡単に解ける。
ここまでは良し。
ところがこのクリスマスローズのハイブリット、シクラメンとは違って少しばかり気むずかしい。
シクラメンのように人間の欲望をそのままに受け入れてはくれない。
冷蔵処理を行うと花の形、また花色が本来のものとは全く異なってしまう。
褪せた色になる。
たまに色などが変わらずに咲いてくるものもあるが、それを購入したお客のもとに行って翌年に魔法が解けクリスマスローズの花が咲くのが通常の花時2月頃だったらと、、、、、。
これは確実に暮れには咲いてこないで他のハイブリットと同じような2月になった季節に咲いてくる。
自然は嘘をつかない。


園芸界には暮れの忙しい最中、お歳暮などに使われている先客が幾つもいる。
シクラメン、シンビジュームなどの先客が花屋や園芸店の店先を賑やかにさせ、その派手さ賑やかさはクリスマスローズの比ではない。
バブルの頃には値段の高い花でなくては売れないとも言われてはいたが、バブルがはじけた今価格は下がっていても暮れの贈答用には他の花を押しのけて主人顔をしている。
ここに数本しか茎が立っていないクリスマスローズの花が挑戦してどうなるのだろうか。
そしてクリスマスローズが今もて囃される意味は。
挑戦はどこの業界でも世界でも一応褒め称えられるだろうが、市場環境に配慮せずに温度のコントロールだけで咲かせて市場に出したところでクリスマスローズ本来のお客の手元には届かない。

昔から2月と8月は商いをしている商人にとって暇で儲からない季節。
俗に二八と言われている2月と8月。
儲からない。
特に花屋にとって2月にバレンタインデーができたとしても資本たっぷり使うチョコレート業界に席巻され資本の零細な花屋や園芸店の店先には目立った花は無かった。


古くから言われている、そのジンクスをクリスマスローズが壊そうとしている。
庭に花の無い寂しさが漂う冬の季節、すこしでも潤いをと願って導入されたクリスマスローズ。
クリスマスローズが密かに抱いている本来の価値をもう少し大事にと思う。

人々に喜ばれ冬の日だまりで咲いてきてくれればそれこそクリスマスローズだが、そこまで行き着くのにはどれほどの時間がかかるだろうか?。

太陽に近づきすぎて翼に塗られた蝋が溶け地上に転落してしまったギリシャ神話に出てくるイカロス、そうイカロスの翼にならないよう願うばかりだか。
 

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